私の感覚 精神医療の中で
私の感覚
34歳の私が日々考えていることをサックリと文章にしています☆
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ようこ

  • Author:ようこ
  • 看護学校3年生からお気楽主婦になるまでの私生活のブログです。気ままに思ったことを綴っています。私自身、統合失調症を患っており、病気を抱えながら働くことの大変さを実感しています。2009年6月に第一子を、2015年5月に第2子を出産。今は2歳と小2の息子を囲んでの幸せで大変な生活を楽しんでいます。より多くの人が統合失調症を理解してくれることを願ってます。
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精神医療の中で
私は中3の冬、精神病院に入院した。病名は精神分裂病、今から10年前のことである。原因はおそらく受験へのストレスや、家庭内の不和、運動部を引退してから、夜遅くまで勉強していたことが関係していると思う。不思議と発病する直前のことは、鮮明に覚えている。

学校で授業中、他愛もない場面で感動したり、悲しくなって泣いたり、感情の波が激しくなった。夜もほとんど寝ずに、思い出の品の整理をしていた。中学校を卒業してしまうことが淋しくて、時が止まってしまえばいいのに…なんて思っていた。

寝不足が続き、とうとう学校でふらふらになり、保健室に行った。担任、養護の先生、母に付き添われ、総合病院へ行った。そして全身の検査をし、身体の方に異常がないことを確認できたので、精神病院を紹介された。

入院時、制服を脱ぎ、病院から借りた紐のないジャージ(自殺予防に紐は外してある)に着替えた。そして個室に案内された。その個室は、一側面は鉄格子がはまっていて、通路の天井からは、監視カメラがついていた。トイレは扉もカーテンもなくて丸見え。私は職員さんに「カメラがあるから、恥ずかしくてトイレ出来ません」と言った。そしたら「こうすればいいだろう」とカメラに紙コップをかぶせてくれた。

個室は横並びに続いていて、他の患者さんのわめき声がすごかった。はじめ、私はとんでもない所に入院してしまったと思った。でも私が隣で泣いている人に、「どうして泣いているの?」と聞いたら、「子供の卒園式に出られないのが悲しくって…」と話す。遠くでわめいている人に「何でそんなに叫んでいるの?」と尋ねると、「生理になっちゃったのに、ナプキンをもらえないから」と答える。誰だって行動の裏にはちゃんと意味がある、そう感じた体験であった。

私は2週間程で個室を出ることができ、大部屋に移った。大部屋の患者たちは大ホールで一緒に食事をとる。偶然、私の隣には足の悪いお年寄りの患者さんが座っていた。その人は、「杖があれば何とか歩けるんだけれど、危ないからと言って、杖を取り上げられてしまって…」と言う。私は気の毒に思い、「それでは茶碗の片付けは私がやりますよ」と手伝ってあげた。それを見ていた職員さんは、「あなたは優しいから、医療に携わる仕事に就いたらいいわよ」と言ってくれた。

私は入院中、薬の副作用なのか、便秘がちになった。それに寝てばかりでは、体力が落ちてしまうと考え、運動不足解消にウォーキングをすることにした。日中、大ホール内をぐるっと周りながら歩く。腕を振って、堂々と何周も歩いていた。そしたら他の患者さんも「俺も歩こうかな」なんて次々と加わり、大行進が始まった。毎日30分くらいの室内ウォーキング、それを私は「歩く会」と命名した。「今日も歩く会、そろそろやりますか?」と声をかけ、一人二人と参加者が増えて、ぞろぞろ歩く。そして各自の体力に合わせて、勝手に抜けていく。気楽な会であった。

そんな入院生活のなかでも、私にも衝撃的な出会いがあった。かわいらしいピンクのパジャマを着たSちゃんは、結婚していて2人の子供がいると言う。彼女は小中高とずっといじめられ続けてきたので、周りの人が怖いと言う。それに交通事故で両親をいっぺんに失ってしまってから辛くて悲しくて、気持ちのやり場がないと言う。Sちゃんは心理的なものからか、おしっこが全く出せなくて、お腹がパンパンに膨れてしまった。それを職員がSちゃんのことを無理やり押さえつけて、おしっこの出口に管を突っ込んで、お腹をギュウギュウ押しておしっこを出したと言う。だから職員さんたちが怖いの、とSちゃんは言った。おしっこをとる時、Sちゃんにどんな説明をしてから、職員はやったのだろうか…もっと安心させてケアをしてやることはできなかったのか、と、悲しくなった。

私は常に鍵がかかっている、閉鎖病棟という所に入院していた。初めのうちは「何で何も悪いことをしていないのに、閉じ込められなくちゃいけないんだろう」と思っていた。でもある時、ふっと気付いた。「閉じ込められている」んじゃなくて、「守られているんだ」と。それを職員さんに話したら、「そうだよ、よく気付いたね」と言ってくれた。その発想の転換で、私はだいぶ楽になれた。

統合失調症(当時は精神分裂病という呼称)とは、考えすぎて頭の中がオーバーヒートして、人を信じられなくなる病だと思う。私は病院という場で、対人関係を学べた。そして薬によって、オーバーヒートした頭は、徐々に落ち着きを取り戻していった。

私が体験した精神医療の中には、色々と教えられたことがある。いつか職員さんが言っていた、「あなたは優しいから…」という言葉を真に受けて、私はナースになった。今、場所は違うが、精神病院で働いている。これからも誰よりも患者さんの心に寄り添えるナースであり続けたい。

(これは原稿用紙約5枚分。心に残る医療という作文コンクールに出品しようと思い、書いてみた。でも、もし賞に入ってしまい、新聞に名前が公表されたら、今働いている病院のスタッフに知れ渡ってしまうと思い、念のために出品を断念した。したがって、記念にブログに載せてみた次第である。過去の話だけれど、今の私に通じるものが解ってもらえると思うので載せました。原稿用紙5枚までという縛りがあったので、最後の方が手短にまとまってしまったのが、残念に思うが、ま、これはこれでヨシとしよう^^ 長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました♪)
この記事に対するコメント

>行動の裏にはちゃんと意味がある 
その通りだとおもいます。
病気の症状ばかりに気をとられて人を見ようとしない。

出品できなかったのはとても残念ですが
ネット上で多くの人に希望と気づきを与えてくださって
ありがとう!
【2007/09/24 23:47】 URL | ごん。 #q8Z0istI [ 編集]

はじめまして
いつも拝見しております。

発病した際の感じ方があまりにも自分と似ていて
思わずコメントしてしまいました。

自分の経験を糧に医療に携わっているあなたは
ほんとうに素晴らしいと思います。
尊敬します。

これからも無理はしすぎず、
患者さんの立場に立った看護師でいてください。
応援してます。
よかったら弊ブログにもいらしてください。
【2007/09/25 00:51】 URL | マオ #4h8aRvmI [ 編集]

はじめまして
みぽりんさんのところからお邪魔しました。
娘が、中学2年に、統合失調症とお医者様から言われ、ずっと外来治療でしたが、一昨年、初めての入院、そして昨年春、一旦退院して自宅療養でしたが又不調となり、昨年の暮れから2度目入院中です。現在24歳。ようこさんと同じですね。
「行動の裏にはちゃんと意味がある」という言葉に、なるほどと教えられました。
また、色々教えていただきたく、時々、お邪魔させていただきますね♪
よろしくお願いいたします ♡(´∀`人)
【2007/09/25 07:33】 URL | マメコロ #TTmcq85M [ 編集]

入院してた頃を思い出しながら、読みました。
読んでいて、入院してた頃をしみじみ思い出しながら、精神
医療って、むずかしいのかなって思いました。
ようこさんの場合、どちらの立場も分かってらしゃる(生
意気に聞こえたらごめんなさい)、ブログ見ていてそう思
います。これからもそんな素敵なナースさんでいてください。もちろん、体調の方もいろいろと大変だと思いますが。

そして、へちゃらナースさんって男性の方だったんですね。
いやぁっ、こちらこそ、失礼しましたm(__)m
【2007/09/25 09:30】 URL | らいと #oeKd1LZE [ 編集]

多くのコメント、嬉しいです!
>ごんさん
出品して、大賞をとれば、賞金50万だったんですよ^^
でも給料2か月分で、仕事首になったら嫌ですから、諦めました。
行動の裏には意味がある!これはいつも肝に銘じて、看護しております。
>マオさん
発病の仕方が似ていましたか?
統合失調症って、緊張型、破瓜型、妄想型の3種類あるそうですが、私のは緊張型だったのかなぁなんて思います。
型が解ったからといって、治療にはあまり関係ないんですけれどねv-16
統合失調症の初期は、感情の波が崩れること、これが一番のポイントなのかなァなんて、個人的には思います。
私は早期発見、早期治療に結び付けられたので、ホント運が良かったんですね。
>梅さん
コメント2回目ですよね?
訪問、ありがとうございます。
病気の症状は、人それぞれですから、自分自身で精一杯と言うことも、良くあると思います。
私は病気になって、自分の生きている意味を問い直しました。
そして、「人と人の心をつなぐ人間でいよう」と思ったのです。
だから入院中は多くの人と話し、共に考え、楽しんだり癒されたりしました。
また遊びに来てくださいね^^
>マメコロさん
娘さんは中学2年の発病ですか…
さぞ辛かったことでしょうね。
でも、必ず良くなります。
応援してくれる家族、医療者、社会のみんながいる限り、絶対良くなりますから、諦めないで下さいね。
>らいとさん
ゴキブリへっちゃらナースは、私の母くらいのおばちゃんナースです。
ゴキブリを靴で踏み殺して、ティッシュでさっと片付けてくれます。
ホント頼れる存在なのです^^
【2007/09/25 13:10】 URL | ☆ようこ☆ #WzzJX4NY [ 編集]

もったいない!
ペンネームで出品してみてはいかがでしょうか?
ダメなのかしら??
とにかくこれが人の目に触れないのは惜しいと言う気がしてなりません。
【2007/09/25 19:17】 URL | ぽこ #- [ 編集]


誰だって行動の裏にはちゃんと意味がある

私もこの言葉にはっとさせられました。
その人なりの意味。
一生懸命生きているんですもの。

素敵なお話ありがとうございました。
【2007/09/25 21:59】 URL | はらけいこ #- [ 編集]

同感です。
「行動の裏にはちゃんと意味がある」、それを、若干10代で、しかも、入院中に理解されたというのは、びっくりです。
精神科の看護師さん達の中には、患者さん達を、偏見で見たりする人もいます。ようこさんのように、理解されていれば、随分と、精神医療も良くなることでしょう。
僕も、入院中、ショッキングな事がありました。
それは、状態の悪い患者さん(訳の分からない事を言って、徘徊する)に、チャックを開けられないように鍵でとめてあるパジャマを着させていました。
その患者さんは、暑くなったのか、チャックを開けようと必死になって、しまいには、わめきだしてしまいました。
僕は、近くにいて、看護師さん達に、チャックを開けるよう言いに行きました。
そしたら、あっさり、「無理」だと言われました。
その患者さんは、それから、さらに状態が悪くなり、食欲も無くなってしまいました。
そして、個室に入れられ、すぐに、亡くなってしまいました。
僕は、看護師さん達を少し恨んで、自分も少し恨みました。
あの、チャックさえなければ、死ぬようなことは無かったかもしれない、、、と思うと、今でも、沈みます。
ようこさんは、これを、どう思われますか!? 
【2007/10/07 16:38】 URL | かず #N1GBOknc [ 編集]


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